この記事はこんな疑問にお答えするため書いています。
前回までの記事でオプション取引の戦略の1つカバードコールの説明をしましたね。
カバードコールでは株を購入した後にコールオプションの売りを行うことで更にプレミアム分利益を増やしていくという方法を使いました。
今回説明していく「現金確保プット売り」というのはカバードコールに入る前の状態、すなわち株を購入する前に仕掛ける戦略になります。
言葉だけでは難しい感じを受けるかもしれませんがやり方自体は簡単なのでサクッと覚えていってください。
購入する前?
よくわからんけど、本当に簡単なんだろうな…
株式より有利な投資手法を学びたい人!そんな方には超おすすめです!
現金確保プット売り(キャッシュ・セキュアード・プット)とは
現金確保プット売りの説明をするには、まずプットオプションについてしっかり理解している必要があります。
プットオプションとは
プットオプションとはコールオプションの逆であり、満期日までにある株が権利行使価格になったら株を売れる権利のことです。
例えば、現在100円の株があるとして権利行使価格95円のプットオプション(売る権利)を3円で買うとします。
その後株価が80円まで下がった場合、(95円-80円)の15円からプレミアムの3円を引いた12円を利益として受け取れます。
反対にプットオプションを売っている場合は(95円-80円)の15円に受け取った3円のプレミアムを引いた12円の損失を受け持つ事になります。
プットオプションの損益図はこのようになります。

コールと同じくプットも買い手は「損失限定利益無限大」なのに対し売り手は「利益限定損失無限大」ですね。
ここまででプットオプションについては理解できましたね。
利益限定で損失無限大ってやばくないか?
危険なにおいがプンプンするんだが…
現金確保プット売り
それでは本題の「現金確保プット売り」について説明していきます。
プット売りについては先程言った通りになりますが、その権利行使価格に入った時に株を購入できる金額をあらかじめ確保しておくのが現金確保プット売りというものになります。
プット売りだと権利行使価格に入ったら株を買わなきゃいけないもんね。
その時のために最初から株を購入できる金額を確保しておくのか
なぜ現金確保プット売りを行うのか?
それでは次に、なぜこのようなことをするのか説明していきます。
例えば、あなたが現在A社の株を購入しようとしているケースで説明します。
現在A社の株価は100円ですが、今は少し株価が過熱している状況なので、あなたは90円まで下がったら買いたいと思っています。
このパターンの買い方として①株価が下がるまで待つ②今すぐ権利行使価格90円のプットオプションを売っておく、この2つの方法があります。
まず一つ目の方法では、株価が90円まで下がってくるのはいつになるのか全く分かりませんよね?
なので、この株価が下がるまでの間にあなたのお金は全く働いていないということになります。
一方、今すぐ権利行使価格90円のプットオプションを売るパターンを考えてみましょう。
プットオプションを売るとプレミアム(オプション料)を受け取ることが出来ます。
もし長い間株価が90円まで下落しなかった場合でも、その間のプレミアムは受け取れるので、口座に入金しているあなたのお金に働かせることが出来るのです。

ちょっと分かりにくいかもしれませんので、この期間の図を作成してみました。
例えばこのように現在100円の株が90円に下落するまでに2ヶ月かかった場合、①のパターンを使った人はこの間全く利益はありません。
しかし、②のパターンを使用した人は同じ2ヶ月の間に2ヶ月分のプレミアムを受け取ることが出来るのです。
これで、株を購入する際に現金確保プット売りを行う理由がわかりましたね。
ほうほう。
指値買いを待ってる間にもプレミアムを受け取れるってわけね
カバードコールとの組み合わせ方
それではここで、前回説明したカバードコールと現金確保プット売りを組み合わせた戦略について説明します。
まず先程の例として現金確保プット売りを使って欲しかった株を2ヶ月後に90円で購入しました。
この購入時点ですでに2ヶ月分のプレミアムは利益として出ていますよね?
次に、90円で購入したA社の株が100円になったら売ろうと思った時、100円のコールオプションを売ります。
これで、現金確保プット売りからのカバードコールへの流れが完成しましたね。
まずは現金確保プット売りでプレミアムを受けとって、権利行使された後はすぐさまカバードコールに移るってことか
オプションを使わなかった場合、株を購入した時点では利益も損失もゼロの状態ですが、現金確保プット売り+カバードコールを使った場合は株購入時点でプット売りのプレミアム+コール売りのプレミアムが利益として確定していますので、どちらが良いか一目瞭然ですね。
まとめ

今回は現金確保プット売り、そしてカバードコールとの組み合わせ方について説明しました。
オプションの説明をする時は「買う権利」と「売る権利」があって更にそれの買い手と売り手が居るっていう非常にややこしい説明になってしまうので、簡単に覚えることは出来ないと思います。
しかし、カバードコールも現金確保プット売りも全く難しい戦略では無いのでシンプルに覚えて頂けたらいいなと思っています。
今回のおさらいとして簡単なクイズ問題を作ってみたので、もし理解しているかどうか不安だなって方は挑戦してみてください。
それではまたお会いしましょう´ω`)ノ
キャッシュセキュアードプットについてもっと詳しく知りたい方はこちらがおすすめです。
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