カバードコールの基本とフォロー

思考法 手法 投資
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  • オプションの具体的な使用方法を知りたい。
  • カバードコールって何?

この記事はこんな方に向けて書いています。

こんにちはマナビヤです♪

前回はオプション取引の基礎知識についてお話しましたね。

そこで今回はオプション取引を使った戦略として、株とオプションを組み合わせたカバードコールについて説明していきたいと思います。

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カバードコールの基本

カバードコールというのは株の現物買いコールオプションの売りを組み合わせて行います。

え?なんでわざわざそんなことをするんですか?

例えば、いま米国株を持っていて、その株が10%値上がりしたら売りたいと思っているとします。

しかし、現物株を持っているだけでは10%値上がりするには「ただ、待つだけ」しかできませんよね?

それはそうだけど…コールオプションを売るとどうなるんですか?

 「コールオプションの売り」というのは満期日までの権利行使価格が現在の株価よりも低ければプレミアムを丸々受け取れ、株価が権利行使価格より上回れば損失を全て受け入れるというものでした。

 つまり、待っている間でもプレミアムを受け取ることができるわけです。

例えば現在の株価が100円の現物株と10%値上がりした場合の権利行使価格110円のコールオプションを売っていた場合、株価が110円に満たない場合はプレミアムが受け取れます。

ほうほう。でも権利行使価格を上回ったら全て損失ですよね?ヤバくないですか?

そこで、現物株が効いて来るわけです。

例えば、株価が満期日に120円まで上がってしまうとコールオプションの損失は10円ですよね。しかし現物株も同時に保有していますので、こちらの現物株をコール買いのホルダーに受け渡すことで損失は免れます。

初めから10%値上がりしたら売る予定でしたので、10%以上の利益は放棄する代わりにオプションプレミアムを受け取ることが出来るのです。

例 : 値上がりした場合

【現物株のみ】

100円→110円で10円の利益

【現物株+コール売り】

100円→110円で10円の利益+プレミアム

値下がりした場合

【現物株のみ】

100円→90円で10円の損失

【現物株+コール売り】

100円→90円で10円の損失とプレミアム分の利益

カバードコールの損益図

カバードコールの損益図を下に示します。

まずは、現物株のみの損益図はこのようになります。

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次にコールオプション売りの損益図はこのようになります。

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以上の現物株とコール売りを組み合わせた損益図はこのようになります。

カバードコールの損益について

それでは、カバードコールがどういう場面で利益が出て、どういう場面で損失が出るのか具体的に説明します。

実際に行う場合には米国株なのでドルなのですが、ここではわかりやすいように円で説明します。

カバードコールの損益について説明する前にまずはOTM(アウトオブザマネー)、ATM(アットザマネー)、ITM(インザマネー)といった3つの用語を知っておかなければいけません。

少しややこしくなりますが、これもよく理解しておいて下さい。

OTM

まずOTMとは権利行使価格と株価が離れていて権利行使されない価格のことです。

例えば、満期日の株価が100円でコール売りの権利行使価格が110円の場合、コールオプションの売りは権利行使されることがないのでアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)になります。

ATM

次にATM(アット・ザ・マネー)とは、株価と権利行使価格が同じになる場合で、満期日の株価が110円、コール売りも110円ということです。

ITM

最後にITM(イン・ザ・マネー)というのはコール売りの価格を株価が追い越している状態でコール売りの側は権利行使に応じないといけません。

例えると、権利行使価格が110円に対して株価が120円まで上がっている状態ですね。

満期日にコールオプションがOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)かATM(アット・ザ・マネー)の場合

それでは、満期日にコールオプションがOTMまたはATMだった場合について説明します。

この場合オプションは権利行使されるわけではなく、オプションの価値はゼロになるので売り手側はプレミアムをまるまる受け取るだけです。

保有している株はそのまま保有できます。

満期日にITM(イン・ザ・マネー)の場合

満期日にITMに入っていた場合は、オプションは権利行使に応じる必要があるため、保有している現物株を売却して終了になります。

コール売りの損失は現物株で相殺することになるので、お金は減ることなく株を手放すという形になります。

カバードコールの損失について

最後にカバードコールで損失が出る場合について説明します。

例えば現在の株価が100円で満期日に90円まで値下がりした場合は、プレミアムは受け取れても10円の値下がり損失が出ますね。

しかし株式を単体で保有している場合もそれは同じことなので、プレミアムを受け取れる分カバードコールの方が有利になります。

カバードコールのフォロー

カバードコールを仕掛けたら、対象の株価の動きで後のフォローの仕方が変わってきます。

それではここで、株価が満期日にOTM(アウト・オブ・ザ・マネー)になりそうな場合とITM(イン・ザ・マネー)になりそうな場合、それぞれのフォローについて説明していきます。

満期日にOTMになりそうな場合

満期日にコールの売りがOTMになりそうな場合、すなわち権利行使価格よりも株価が大きく下にある場合は、買い手によって権利行使される心配は無いので基本的には何もする事がないです。

プレミアムもしっかり受け取ることが出来ます。

満期日にITMになりそうな場合

次に満期日にコールの売りがITMに入りそうな場合について説明します。

コール売りがITMに入ると言うのはコールの権利行使価格に対して株価が上回ってしまう状態の事で、このままでは買い手の権利行使に応じなければいけません。

そのため、売っているコールをその時点で買い戻すという方法がありますが、コールの価値というのは株価が権利行使価格に近くなるほど値上がりしていくのでコールを売り建てた時よりも価値が上がってしまった場合は損失を出してしまいます。

ローリングについて

ローリングの話をする前に、まずはオプションの価値について説明していきます。

まず、オプションの価値というものは満期日までの時間によって変わってきます。

例えば、現在100円の株価に対して1ヶ月後までの権利行使価格110円のコールと2ヶ月後までの110円のコールとではプレミアム(オプション料)の値段は大きく異なります。

オプションの値段というのは満期日には必ずゼロになっていくので残存期間が長ければ長いほどオプションの価値は高くなります。

これを踏まえて、ローリングの説明に入りますね。

ローリングというのは最初に売り建てていたコールを買い戻し、また新たなコールを売り建てるという戦略になります。

一言でローリングと言っても様々な種類がありますので一つずつ順番に説明していきますね。

ローリングアップ

まず最初に「ローリングアップ」について説明していきます。

ローリングアップというのは、まず現在売り建てているコールを買い戻し、更に権利行使価格が高いコールを売り建てるという方法になります。

例えば権利行使価格が110円で株価が112円まで上がってしまった時はオプションを買い戻しても損失が出てしまいますよね。

そこで、さらに115円のオプションを売り建てることでプレミアムを受け取り、損失の穴を埋めようという戦略です。

ローリングダウン

次に「ローリングダウン」について説明します。

これはコールがOTMになりそうな場合に使う方法で、例えば110円のコールを売っている時に株価が更に下がって90円になった場合、110円のコールを買い戻して利益を確定し、更に権利行使価格が下の100円のコールを売り建てる方法です。

オプションというのは株価と権利行使価格が近い程価値が上がるので、110円コール売りで得た利益に更に100円コールのプレミアムを付け足そうというやり方になります。

ローリングアウト

ここまでの「ローリングアップ」と「ローリングダウン」は共に満期日が同じオプションを買い戻して、更に売り建てる方法でしたね。

そしてここからは「満期日が先の」オプションを扱う「ローリングアウト」について説明していきます。

ローリングアウトとは、現在売り建てているコールを買い戻し、満期日が先のコールを再度売り建てる方法です。

ローリングアウトにはローリングアップとローリングアウトを組み合わせた「ローリングアップ・アンド・アウト」とローリングダウンとローリングアウトを組み合わせた「ローリングダウン・アンド・アウト」という方法があるので順に説明していきますね。

ローリングアップ・アンド・アウト

ローリングアップ・アンド・アウトとは、満期日にコールがITMになりそうな時、売り立てているコールを買い戻し、更に満期日が先で権利行使価格が高いコールを売り立てる戦略です。

これは株価が天井圏にありそうな場合には特に有効な戦略で、株価がここから下落していく場合では多くのプレミアムを受け取れます。

ローリングアップとローリングアウトを単純に組み合わせた戦略と言うと分かりやすいかと思います。

ローリングダウン・アンド・アウト

最後にローリングダウン・アンド・アウトについて説明します。

これはローリングダウンとローリングアウトを組み合わせたもので、コールがOTMになりそうな場合に一旦コールを買い戻し、満期日が更に先で権利行使価格が低いものを売り立てる戦略になります。

満期日が長くなるので受け取れるプレミアムも当然多くなりますが株価が上がった場合にはオプション価値が上がってしまい損失が膨らむので注意が必要です。

フォローの使用パターン

ここまでローリングの種類について説明しましたが、これらはどういう状況で使用していけばいいのか順にみていきましょう。

権利行使価格に比べて株価が大きく下がっている場合

まず、権利行使価格にくらべて株価が大きく下がっている場合について説明します。

この場合は権利行使される心配は無いので「何もしない」っていうのが基本ですね。

もしくは更にプレミアムを取りにいきたいのであればローリングダウン・アンド・アウトもしくはローリングダウンですかね。

権利行使価格に比べて株価が少し下がっている場合

次に権利行使価格に比べて株価が少しだけ下にある場合のフォローを説明します。

これはまず保有している株を持ち続けたいのか、または失っていいのかの違いで異なってきます。

株を失っても良いという場合は、もし権利行使されたとしも損失が出る訳ではないのでそのまま「何もしない」という戦略を取ります。

次に株はそのまま継続して保有したいという場合では、コールの売りがITMにならない状態にしなければいけないので「ローリングアウト」または「ローリングアップ・アンド・アウト」「ローリングアップ」ですね。

権利行使価格に比べて株価が高い時

そして、権利行使価格に比べて株価が高い時の説明をします。

カバードコールというのは前回説明したように現物株とコールの売りを組み合わせて作るものです。

従って、もしコールが権利行使されたとしても株の上昇によって損益は相殺されます。

なので、現物株を失ってもいいのであれば「何もしない」でいいです。

ITMに入ったところで株を手放せば良いだけなので損失は無いのですが、もし株を継続して保有したいのであれば「ローリングアップ・アンド・アウト」を使ってコールオプションを逃がすことも出来ます。

以上3つのパターンから見ても「株を失ってもいい」というのであればどの状況でも別にすることは何もありません。

まとめ

今回はカバードコールの基本から、エントリーした後のフォローについて説明しました。

まだまだ用語を覚えていないと理解するのは難しいかもしれませんが、単純に買いだけで取引する場合より有利に進めることができるので是非とも覚えておいてくださいね。

今日も最後までサンキュー!!

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